■孤独死を予防するアプリがある

 若い世代を中心に急激に普及しているスマホ。これを利用することで孤独死の回避ができるアプリがある。

▽孤立死救済・回避支援ソフト:元気にしTEL?!

 普通、充電して外出するときには充電器から切り離す。だが、一定期間充電し続けていると、あらかじめ作成済みの救援要請メールが家族や友人などの緊急連絡先に発信される仕組みだ。さらに、本人の安否を憂慮した家族などがコールすることでも、「救援要請メール」を発信させることができる。

 GPS機能と連動させれば、どこで倒れているかがわかるので、自宅のほか、出張先や旅先、被災時や遭難時などでも活躍するだろう。

▽孤独死防止アプリ 本日のお元気情報

 自身の行動状況をメールで知らせるアプリ。2つの機能を持ち、ひとつは毎日使う目覚ましのアラームを止めると、「目覚めた事」を自動でメール送信する。もうひとつは毎日歩いた歩数をメールにして送信する機能だ。

 また、充電ができずに電池が切れれば、毎日届くはずのメールが来ないので安否確認にもなる。自分が生きていて、元気に起きて、元気に歩いていることを家族に伝えるアプリというわけだ。

 万が一に備え、スマホには緊急連絡先の登録もしておこう。胸が苦しいとググってもすぐに出てくる保証はなく、先の大学生のように救急車の不出動なんてケースもあり得るからだ。

 まずは、地元のタクシー会社の番号を登録し、緊急時対応について事前に連絡を取っておく。次に#7119(東京消防庁救急相談センター)も登録しておくとよいだろう。こちらでは救急車を呼ぶべきかどうかや応急手当ての方法、医療機関も教えてくれる。24時間、看護師や救急隊経験者が待機しており、夜間相談にものってくれるので安心だ。都道府県により電話番号が異なるので、こちらは事前に調べておいてほしい。

 普段から周囲とのつながりを持ち、健康に留意することが、孤独死を招かないための特効薬になるのである。近所の人と会ってもあいさつもしない、回覧板も読まないでは人とつながるためのネットワークを自ら断っているようなもの。周囲にリアルな「お元気情報」を伝えることで孤独死のリスクを回避したいものである。

(ライター・中森勇人)