小学3年生から学校を休みがちになり、中学校でのいじめをきっかけに不登校となった、ななみさん。その経験は長くつらいものとして心の奥底にしまわれていましたが、大学生活を送るなかで、自身の体験を少しずつ発信していきたいと考えるようになりました。「不登校生動画甲子園 2025」(※不登校当事者が「不登校で見つけたこと」をショート動画アプリTikTokに投稿する動画コンテスト)に参加した大学1年生のななみさんに、当時の葛藤や、そこからの変化について話を聞きました。

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小3から始まった“仲間外れ”と心の孤独
制服を着て“学校に通う自分”を演じた日々 普通じゃない日々が教えてくれた“自分の守り方”

小3から始まった“仲間外れ”と心の孤独

――小学3年生から学校を休みがちだったとのことですが、不登校になったきっかけや当時の学校でのできごとを、覚えている範囲で教えてください。

 小学1年生のころから友達とうまくいかず、“いじり”やちょっとした嫌がらせのようなことはあったのですが、3年生になると、それがあきらかに悪意のあるいじめに変わっていきました。私が配膳した給食を「食べたくない」と拒否されたり、掃除のときに私の机だけ誰にも運んでもらえなかったりと、仲間外れや無視が日常的になっていったんです。

 担任の先生はクラスで話し合いの場を設けてくれたのですが、「ななみの嫌なところを一人ずつ言おう」となってしまって。そのほとんどが「ウザい」「キモい」といった、私にはどうしようもない言葉ばかりで、学校生活はさらにしんどさを増していきました。

――それはつらかったですね……。地元の中学校に進学してからも、小学校のときのいじめが続いたのですか?

 中学ではクラスが替わり、小学校で私をいじめていた子たちとも関わらなくなったので、最初のうちは楽しく通えていました。でも、中1の夏にあった宿泊行事で喘息の発作が出てしまい、それをきっかけに「気持ち悪い」「バイキンがうつる」といった心ない言葉をかけられるようになって。学校生活に戻ってからもその延長のように、「死ねばいいのに」「不登校になれば?」とまで言われるようになり、学校に行くのが怖くなってしまいました。

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高橋亜矢子
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