「学校生活がつらかった」「卒業式を欠席した」という人へ―――タレントの中川翔子さんは3月、不登校や病気などを理由に卒業式に参加できなかった人、もう一度出たいと思う人のためのイベント「卒業式をもう一度」を開催します。卒業式を含む3日間限定のオンラインフリースクールを開校し、プログラム修了者には、中川さんが“卒業証書”を授与します。
中川さんは中学時代、いじめをきっかけに学校に行けなくなり、3年生の半年間を不登校で過ごしました。卒業式に出なかったことが「心のしこり」としてずっと残っていたといいます。そこで、不登校ジャーナリストの石井しこうさんとともに、同じような経験をした人と「止まっていた時計の針を動かしたい」と考え、このイベントを企画しました。
主催は「卒業式をもう一度 実行委員会」。中川さん、石井さんをはじめ、不登校の子どもたちの教育や支援にかかわる団体など、趣旨に賛同したさまざまな団体や個人がボランティアでかかわっています。
イベントは「空色スクール」と題し、3日間に分けて行われます。まず、参加者が応募動機を語るオンラインのキックオフミーティングを開催。次に、不登校だった当時を振り返り「人生紙芝居」を作成しながら歩みを振り返るオンライン授業が行われます。卒業式では、参加者一人ひとりが壇上で思いを語り、校長である中川さんから卒業証書を受け取ります。
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空色スクールに参加するのは、青森から鹿児島まで全国から集まった、12歳から60歳までの34人(平均年齢は25歳)。中川さんがSNSを通じて呼びかけたところ多数の申し込みがありました(応募はすでに締め切り)。参加者は、「不登校だから卒業式は諦めていた」(12歳)、「東日本大震災の影響で卒業式が中止」(36歳)、「パパになった今こそ成長したい」(26歳)など、それぞれの思いを胸にイベントに臨みます。
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開催にあたり中川さんは、「当時のしんどかった記憶をいまみんなでふり返ることで『あの時間にも意味があったんだ』と再発見できるかもしません。事実は変えられなくても、その意味は変えられる。そんな思いを込めて卒業証書を贈りたい」と語ります。石井さんも「卒業式にはさまざまな形があっていい。不登校だったとしても、新たな門出を迎えられることを知ってもらえたら」と話しています。