アレンジ受験を考えてみては?
矢萩:僕は以前から「アレンジ受験」というのを提案してきているんですけど、このケースもまさに、受験のやり方を柔軟にアレンジしていくのがいいんじゃないかなと思います。「塾なし受験」をやっていくなら、覚悟を決めて割り切るしかない。でも、最近はうちのようにオンラインでやっている塾もありますから、そういうところで自分のペースを掴むというのも一つのやり方としてありだと思います。

安浪:質問の中に「理科や社会の受講が難しい」とありますけど、集団塾が合わないなら、個別指導や家庭教師という方法もあるし、自分に合うスタイルを選べばいいだけの話かなと思います。私もいろいろな理由で体力のない子を何人か教えてきましたが、塾なしの場合は家庭教師と個別指導を併用して乗り切ってきました。
矢萩:全く塾に行かずに受験するっていうのは、タスク面でも情報面でもなかなか大変なので、まずは1教科でも2教科でもいいから、合うところを探してみることが大事。「ここならいけるな」って思えるところに出会えたら、そこは残せばいいし、「なんか違うな」と思ったら、別の場所を体験してみればいい。最初から全部決めようとしたり、ひとつの塾ですべてを完結させようとすると、うまくいかないものです。少しずつ、相性の良い学びの場を探していく。そして「家でできるかどうか」も含めて、試行錯誤する姿勢が大事なんじゃないかなと思います。
安浪:あと、「ドリルを買いすぎてしまう」と書いてありますが、別にドリルをたくさん買うのは悪いことではないですよね。お金は多少かかりますけど。
矢萩:実際にやってみなければわからない相性もありますから、手元にいくつか種類があるなら、「じゃあ、全部2ページずつやってみようか」とか、「これとこれを比べて、どれがやりやすかった?」みたいに、一緒に試して選んでいけばいいと思うんです。そういうふうに、子どもが自分に合う教材を選ぶ経験って、すごく大事だと思います。
次のページへ「司令塔」を決めておいたほうがいい