現在、東京と大阪の2カ所でサービスを展開しています。東京では現在、サポーターは約60名、利用者約200名が登録していて、利用は月に30件ほど。大阪はサポーターが10人程度とまだ小規模です。
社員がサポーターとして登録する動機は多岐にわたります。コロナ禍でフライトが減ったことで空いた時間を利用して保育士資格を取得した人や、自身の将来的な子育てを含めたキャリアパスの参考にしたいという若手社員もいます。
また、子育て中に多くの人の助けを借りて仕事を続けられた経験から、今度は自分が誰かに恩返しをしたいと考える世代の人々もいます。さらに、「自分たちの世代は結婚や出産を機に退職せざるを得なかったため、後輩たちにはライフステージが変わっても仕事を続けてほしい」と願うOGも協力してくれています。
——サポーター希望者への研修はどのように?
中村祐子さん(以下、中村さん):自宅保育に必要な知識や技術を学ぶための“居宅訪問型保育基礎研修”を全員に受けてもらっています。Web講義で19時間、対面で3時間という内容で、活動開始までのプロセスは決して短くないのですが、安全性を重視した結果です。
また、1カ月に1度、“CCSの部屋”というサポーター同士の情報交換の場を設け、「保育中にこんなことで困った」「こういう時はどう対応した」といった経験をシェアしあっています。
CAならではの安全意識とホスピタリティで、保育にも安心を
——サービス提供にあたって、“CAならでは”の強みはありますか。
鎌田さん:「安心、あったか、明るく元気」というANAグループのモットーを、お客様だけではなく社員の皆さんやお子さんにも感じていただけたらと考えています。私たちCAは訓練や日々のフライトの中で、安全に対して高いプライオリティ意識が培われています。また、相手の気持ちをくみ取りながら丁寧にコミュニケーションを重ねていくホスピタリティも、保育の場で生かせると思っています。
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