泊まりや勤務時間の変更が多い航空業界で、子育てと仕事の両立に悩む客室乗務員は少なくありません。そんな課題に向き合い、2024年に全日本空輸(ANA)が社内でスタートさせたのが「チャイルドケアステーション」です。キャビンアテンダントやOGが社員の子育てを支え合うユニークな仕組みについて、発案者であるチャイルドケアステーションプロジェクトディレクターの鎌田明子さんと中村祐子さんに聞きました。
【写真】CAさんらによるサポートのようすはこちらママが安心して仕事に行ける環境を。同僚の体験がきっかけに
——チャイルドケアステーション(CCS)とはどのようなサービスですか。
鎌田明子さん(以下、鎌田さん):社員同士で育児を助け合う保育サポートシステムです。子育て経験や保育資格を持つキャビンアテンダント(CA)などが「サポーター」となり、フライト中のCAに代わって、お迎えや一時保育をサポートする仕組みです。
——このサービスをスタートした経緯を教えてください。
鎌田さん:コロナ禍で耳にしたあるママCAの苦労話でした。フライトの急な変更で預け先が見つからず、やむを得ず幼い子どもたちだけで留守番させるしかなかったというのです。小さな子どもたちを家に残しての出勤は、かなりの不安と葛藤があったことでしょう。
同時に、CAは職業柄、勤務が不規則で急な時間変更も少なくないため、同じような悩みを抱えている仲間は多いはずだと考えました。
中村さんをはじめ3人の同僚に声をかけ、この課題を解決するアイデアで社内のビジネスコンテストに挑戦することに。結果、無事に最終審査を通過し、2023年9月から実証実験をはじめました。


専用のwebサイトで、利用者とサポーターをマッチング
——利用したいときはどうしたら?
鎌田さん:専用のwebサイトを通して利用希望者から依頼が入ると、事務局が条件の合うサポーターに声をかけ、マッチングが成立します。利用料は、1時間につき1100円、早朝深夜の場合は1500円、プラス交通費です。
