私も母が教員だったので、子どものころは自分の運動会と母の勤務校の運動会が重なることが多く、運動会を見にきてもらえたのは、6年生のときだけでした。それ以外の年は、祖母や友だちの家庭と一緒にお弁当を食べていました。ものすごく寂しさを感じる時間でつらかったのを覚えています。教員になってからも、1日運動会のころは、お弁当タイムのときに1人でいる子どもはいないか、と見て回っていました。

 学校でお弁当を保護者と食べるのがなくなったことで、校内での保護者の飲酒や喫煙もものすごく減っていったと感じます。

閉会式の夕日が見られない…半日運動会のデメリット

 ただ、もちろんいい点ばかりではありません。

 運動会が半日になって悪いと思ったことの1つ目は、競技数や競技時間・演技時間の削減で、子どもの見せ場が減ったことです。

 時間が限られるため出場種目や演目が減り、子どもが活躍する場面が少なくなってしまいました。子どもの祖父母など遠方から来る家族にとっては、せっかく来たのにすぐ終わってしまう印象があります。

 2つ目は、PTA競技がなくなったことです(正直、悪いとまでは思わないのですが……)。教員と保護者が力を合わせて、綱引きや玉入れをするのは楽しかったですし、親睦を深める機会になっていました。

 1日運動会のお弁当タイムでは、保護者と会話する機会にもなっていました。お弁当タイムは保護者や地域の方とつながる機会だったのだと、半日運動会になって気づきました。

 3つ目は、本当に小さなことですが、夕日・夕焼けでの閉会式がなくなったことです。半日運動会はお昼の12時頃に閉会式があります。

 1日運動会だったころは、閉会式の時間帯、ちょうど夕日がありました。夕日を浴びながら「終わった~」というなんとも言えない充実感、達成感、感動がありました。そして、教職員の打ち上げも盛り上がりました。でも、半日運動会になって、教職員の打ち上げも大々的に行われることが減っていきました(私は打ち上げの場が苦手なタイプで、ありがたいのですが……)。

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