近年、運動会の様子が変わってきています。秋開催から春開催に、1日開催が半日開催に……。このような変化を、現場の先生はどう感じているのでしょうか。大阪の公立小学校の現役教師・松下隼司先生は「半日運動会になってよかったと思うこのとのほうが多い」と言います。松下先生が教師目線、保護者目線で考える運動会の変化で“よかったこと・悪かったこと”とは?
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小学校の教員23年目、2児の父親の松下隼司と申します。
私が子どものころや教員になったころは、運動会は1日開催(午前9時ごろから午後3~4時ごろまで)でした。しかし、コロナ禍あたりから、午前だけの半日の運動会の学校が増えてきました。
1日開催の運動会から半日開催の運動会になって、良かったこと・悪かったことを、子ども目線・保護者目線・教員目線で考えました。
半日開催になってよかったと思う3つのこと
率直に言うと、“1日運動会”から“半日運動会”になって、私自身は良かったと思うことのほうが多いです。
1つめは、まず、なんといっても熱中症リスクの軽減です。
猛暑を通り越して、酷暑の日が年々、増えています。
私が住む大阪では、7月から9月中頃は、午前中でも暑さ指数が厳重警戒のレベルになります。熱中症警戒アラートが連日のように出ます。そうなると、運動場で練習はできません。だからといって、講堂や体育館の練習も、まだエアコンがついていないので、サウナのような蒸し風呂状態で危険です……。私が教員になった23年前に比べると、5月末~6月初旬の春の運動会も少しずつ増えていると感じます。
運動会が9月末~10月にある学校では、暑さのために練習もできないし、当日も炎天下に長時間いるのは危ないです。それは、子どもだけでなく、保護者や教員にとってもです。日除けのためのテントも、本部席と敬老席しかなくて、子どもたちの分のテントがない学校が多いです。
だから、「半日運動会になって良かった」というより、安全面を考えると「半日運動会でなければ実施できない」というのが実情です。
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