――子どもに勉強させるって難しいですよね。

 小5になっても相変わらずだったので、私も何とか娘に士気を上げてもらいたいと思い、志望校のオープンキャンパスや文化祭に4~5校は足を運びました。

 現地では娘に「制服かわいいね」「部活楽しそうだね」「お姉さん、お兄さん、すっごく素敵!」とかテンションを上げて声かけをしました。娘もその気になって、「私、この学校入りたい」って帰宅後は勉強するんですが、それも3日くらいでもとに戻る(苦笑)。そんなことの繰り返しでしたね。

小6春にママ大爆発

――そしていよいよ、6年生に突入した訳ですね。

 6年生になると、塾もほぼ毎日通い、勉強漬けになります。でも「その覚悟はあるのか?」と疑いを持たざるを得ないほど全然勉強もしないし、成績は低空飛行のまま。最後のチャンスと思い、「退散するなら今だよ」と説得したんです。

 すると娘は「6年生になったし、これからは頑張るから大丈夫」と言ってきたんです。以前なら学校から帰宅後はリビングでダラダラしていたのに、すぐに部屋に行って静かに勉強している様子が見られるようになってきました。

「やっとスイッチが入った! 私も頑張って応援しなきゃ」と思ったのもつかの間、娘が学校に行っている間に部屋の掃除をしようとしたら、ふと感じるベッドの違和感……。直感的に敷布団を剥いだら、その下に『鬼滅の刃』全巻が敷き詰められいました…‥!

――それは衝撃です。

 娘が学校から帰ってきたので問い詰めたら「あっ、ばれたか!」っていう表情で……。おばあちゃんから参考書や問題集代として渡された図書カードで買っていたみたいです。

 これには私も完全にブチギレ。「鬼滅はすごく面白い、読み出したら止まらない! でも、今じゃねえだろう‼」って。しかも『鬼滅の刃』以外の漫画や小説も出てきて。「勉強もした」というのですが、新品同様の参考書はたった2ページ書き込んであるだけ。

 もう譲れないと思い、塾に電話して退塾のあいさつに行きました。

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