――確かに、学校の行事運営を手伝うか、お金を出して外部に委託するかという二択問題ではないように思いますね。
運動会やお祭りなどの大きな行事では、どうしても人の手が必要です。先生や、PTA役員である一部の保護者だけで担おうとすると、負担が大きすぎる場合があります。
全部の仕事を、その年の役員だけで引き受けようとせず、当日のお手伝いなどは、役員以外の保護者にもどんどん声をかけたらいいと思います。
例えば、運動会当日は、朝早くから多くの保護者が学校に集まっています。「テントの設営を手伝ってもらえませんか」などと先生やPTA役員がアナウンスすれば、結構多くの人が手を貸してくれると聞きます。設営や片付け以外に、見守りなども協力を呼び掛けていいと思います。
大切なのは「P」と「T」が話し合うこと
――PTA役員が抱え込まないことも大切なのですね。
そうですね。まずは広く募って、集まった人でできることをやったうえで、本当に外注が必要なことかどうか考えてももらえたらと思います。そもそも「P(Parents=父母)とT(Teachers=先生)の会(Association)」が協力するための会なのですから、保護者と先生が、率直に相談し合うことが大切なはず。
もし、運動会の運営や手伝いがあまりに大変なら、お互いの負担を少なくして解決する方法を一緒に探すことが必要ではないでしょうか。
――これは運動会に限らず、ということですね。
そう思います。保護者と教職員は、仕事や責任を押し付け合う構図に陥りがちですが、そうではなく、協力的に話し合って、双方がラクになっていけると理想でしょうか。
(取材・文/玉居子泰子)
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