国語力を鍛えるオンライン個別指導塾「ヨミサマ。」の代表・神田直樹さんは、通信制高校のみで塾にも通わず、東大に合格。卒業後はマッキンゼー・アンド・カンパニーに就職するも1年間でやめ、「ヨミサマ。」を立ち上げたというユニークな経歴の持ち主です。それを可能にしたことの一つのが、高い国語力。「本は全然読まなかった」という少年が、どのような方法で圧倒的な国語力を手に入れてきたのでしょうか。※前編<“アニオタ”のマンガ好きは読解力が高い? 東大卒・国語専門塾長が考える「マンガで国語力が伸びる」4つの理由>から続く

MENU マンガ漬けだった小学生時代 理想の学校をつくるために東大入学を決意 1年目はゲーム漬けで偏差値45まで急落 国語力を強化したら他の教科も偏差値アップ

マンガ漬けだった小学生時代

――国語力に特化した個別指導塾「ヨミサマ。」を立ち上げた神田さん。子どもの頃から本をたくさん読んできたのでしょうか。

 いえいえ。高校2年生になるまで、読書感想文のための本以外は、1冊も読んでいません(笑)。それどころか、通っていた幼稚園ははだしで遊ぶことが基本で、乾布摩擦が当たり前。体を鍛えることに力を入れているところだったので、いつもはだしで駆けまわっているような子でしたからね。

 しかも当時、両親は仕事でドイツ在住。僕は茨城県で祖父母と生活していたために、家には幼稚園児にとって娯楽と呼べるものはほとんどなかったわけです。そこで僕が手を伸ばしたのが、本棚にあった大人向けのマンガでした。当時、どれだけ内容を理解していたかはわからないですが(笑)。

――「本を読ませなきゃ」と思っている保護者には、期待が持てるエピソードです。

 公立小学校に上がって両親と東京の神保町で暮らすようになってからも、勉強はせず、本も手に取らず、マンガばかり読んでいましたね。神保町といえば、古書店街で知られる街です。おまけにわが家には「本なら無限に買っていい」というルールがあったにも関わらず、買ってもらったのはマンガだけ。今まであらゆるジャンルの約7000冊のマンガを読んできましたが、そのうち6割くらいは小学生の時に読んだと思います。

子どものころの神田さん。研究者である父親の本に囲まれて過ごすも、本は読まない子どもだったそう
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竹倉玲子
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