学童保育所でストレスを抱え、「行きたくない」という子どももいます。学童で起こりうるトラブルを未然に防ぎ、子どもが楽しく放課後を過ごせるために親ができることについて、学童保育の専門家である萩原和也さんに聞きました。※別記事<「よい学童」かどうか、どう見極めればいい? 見学するときに確認したい大切なポイントとは>から続く

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子どもに「学童に行ってくれないと仕事ができない」と言うのはNG

――これから子どもが学童に通い始めるという親が、心がけておくべきことはありますか?

「今日何か楽しいことあった?」でいいので、毎日必ず学童であったことを話してもらうのがおすすめです。それを習慣にしておけば、嫌なことがあった時も、きっと自然と話してくれると思います。決してお子さんに「学童に行ってくれないと仕事ができない」と言わないでください。子どもは親を困らせまいとして、嫌なことや辛いことがあっても打ち明けられなくなります。それが限界点を超えてしまうと、行き渋りとなり、もう手がつけられなくなります。

――とはいえ「行きたくない」と言われたら、ちょっと動揺してしまいそうです。

「今日は行きたくない」という子どもに言われた場合、できるだけその気持ちを否定せずに穏やかに応じられるように心構えをしておきましょう。例えば、心配だけど留守番させてみる、家にライブカメラを付けて子どもの様子を見られるようにしてみる、そのほかに利用できそうなサービスや、子どもを見てくれそうなご近所の仲良しさんを探しておくなど、さまざまな準備をしておくとよいです。

 また学童に迎えに行った帰りは、「すぐに帰宅してご飯の支度を」と思うでしょうが、子どものリクエストがあれば、ファストフード店に寄る、お菓子売り場に寄るなど、心の余裕を親が持てるとよいですね。

新一年生の「上級生がこわい」はよくあること

――学童に対して何かできることはありますか?

 できるだけ職員とは綿密にコミュニケーションをとってください。「今日、うちの子はどうでした?」と、顔を合わせるたびに聞きましょう。職員は子どもの様子を保護者に伝える職務がありますし、「話しにくいことでも遠慮なく伝えてください。一緒に解決したいと思っています」と伝えて、安心させてください。職員との信頼関係をつくれる保護者の場合、何か問題があっても解決にすぐ至る場合がほとんどです

 またできれば年に数回でも、学童で子どもたちがどのように過ごしているか、職員や他の保護者の方も交えて話し合う機会があるといいですね。

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竹倉玲子
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