当時、「何か言われるかな?」「批判とかあったらどうしよう」と、おそるおそるSNSを使っていたのですが、フミの話には「うちもマイペースです! 一緒で安心しました」「笑いに変えたらいいという学びを得ました」など、温かい声をたくさんいただいて、うれしかったです。

家族の誰かの“ヘマ”がネタに昇華「漫画に助けられています」

――子どもたちが好きなお話は?

 唐揚げをつまみ食いするために子どもたちが列を作る様子を描いた話や、ダンナが自動販売機でジュースを買おうとしたら、ガチャガチャガチャって山ほどジュースが出てきた話などですね。

 今となっては誰かがヘマをすると、「これ、描かれるな……」と、心のなかで思っているようです。ダンナはヘマをすると、「はあ……」とため息をつきながらも、「これ描けるやん?」って言ってきます(笑)。

――末っ子の長男・ユキさんは大人の女性に弱いところが可愛らしいです。

 ユキは小さいころから同級生の女の子とは話せても、大人の女性とは恥ずかしがってうまく話せない(笑)。ママ友が自宅に訪ねてきたときに、食べられないのに、かっこつけて「ブロッコリーを好き」と言ったり、いつもは奪い合ってチョコレートを食べるクセに「虫歯になるから食べない」と拒否したり。ずっとかっこつけて何も口にせず、口さみしくなった挙句に、ママ友に隠れてパスタの乾麺を戸棚から食べている。

 その姿を発見した時は、「乾麺を食べるなんてヤバすぎる!」と思う一方で、「漫画にしたら面白そう」とも思ったんですよね。

 もちろん、叱らないといけないときには叱ります。叱るだけだと自分もつらくなりますが、笑いに変えられるという面では、漫画に助けられています。

かっこつけの長男・ユキさんのお話を読む(全7枚)

学校の懇談会でびっくり!「こんなにダメなこと言われるんや…」


――子ども時代に、「真面目」と言われ続けていたという三本さん。愉快なお子さんたちの学校での様子や性格について、驚くことはありますか?

 私は努力して勉強するタイプの子どもでした。だから、子どもたちの学校の懇談会で「こんなにダメなこと言われるんや……」とはじめて知りました(苦笑)。とは言え、「お友だちに意地悪した」「誰かに意図的に迷惑をかけた」だったら落ち込みますが、指摘されたのは、フミのテスト中の態度。どうやら答えが合っているか気になりすぎて、先生にとても小さな声でぶつぶつたずねていたそうです……。

 もちろん、テストを受ける際のルールなど、社会のルールは守らなければなりません。でも、見方を変えたらちょっと笑ってしまうようなユニークな個性はそのままに、のびのび育ってくれたらうれしい。そして、勉強全般でなくても、得意なことを伸ばしていってくれたらと思っています。

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