「好きでこの仕事をしている」という事実は変わらないので、その気持ちに立ち返ることができると「まずはやってみよう」と前向きな気持ちになれる気がします。

 日常の何げない瞬間に、「子育てって楽しいな」と感じます。「ご飯の用意、間に合うかな」なんて、キッチンで奮闘している時も、リビングに目を向けると、子どもたちはごっこ遊びをしたり、何げない会話を楽しんだりしている。そんな姿を見ると、「楽しそうで良かったな」と幸せな気持ちになりますね。

 子どもたちは日々いろいろなことを吸収していると思うので、その邪魔をできるだけしないようにしてあげたい、という気持ちはあります。すぐに口を出したり、必要以上に手伝おうとしたりはしないように。時間的な余裕がなく、私自身も疲れてくると、「早くその事柄を終わらせたい」と思ってしまうこともありますが、「あと10分だけは座って様子を見てみよう」と思うようにしています。

 以前に比べ、私も“待てる時間”が少しずつ長くなり、子どもたちが何を好きなのかを冷静に見られるようになった気がします。双子なので、どうしても二人の違いが見えてくることもありますが、そうした違いをいいところとして捉えていきたい。何が好きで、何が得意なのかは日々変わってくるので、そうしたものをできるだけ見つけ、伸ばす言葉をかけていきたいな、と思っています。

5人を育てた母は 本当に大変だったんだな

 私自身は5人きょうだいの末っ子として育ちました。5人いたので、母はすぐに名前を間違えましたし、全員の名前を呼び、最後にようやく正解にたどり着く、なんてことも(笑)。全員に気を配り、声をかけなければいけないという、本当に大変ななかで頑張って育ててくれたんだな、と思いつつ、私自身は少し落ち着いて子どもたちを見てみたいな、という気持ちもあるのかもしれません。

 ダンサーを目指す10代半ばの男の子の母親役を演じた映画「STEP OUT にーにーのニライカナイ」は私の故郷である沖縄ですべての撮影を行いました。

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