近年、大学受験に特化したところや、高等専修学校と連携し在学中に種々の資格を取得できるところなど、さまざまな特色を持つ私立の通信制高校が増加しています。スクーリングの場所も、近場の教室から北海道、屋久島、九州などさまざまです。

 時間の自由度が高いので、体調を優先したい生徒、スポーツや美術、起業など、特化してがんばりたいことがある生徒にも、高校卒業資格を得るために有効な選択肢であると言えます。

 一方で、大学進学を志望する場合には、通信制高校の授業と大学入試には難易度の開きが大きいため、多くの場合、受験勉強について別のサポートが必要になります。

内申書について知っておきたいこと

 高校受験の出願時に、在籍中学校から「内申書」というものが受験校に提出されます。内申書は、日頃の生活態度や部活動、委員会活動や行事への参加、取得した資格、出席日数など、日頃の様子などを伝える文章と、内申点と呼ばれる「各教科の通知表の合計点」が書かれています。この内申点と入試当日の点数の合計で、合否が決まる高校が多いです。内申点の計算の仕方や、入試における内申点の占める割合は、地域ごと・学校ごとに異なるルールで運用されています。

 一般に、内申点は、「中1の2学期から中3の2学期までの、通知表の各教科の合計点に、一定の割合をかけたもの」が採用されることが多いようです。

 不登校の生徒においては、1日も登校しない完全不登校で、テストも受験せず、提出物の提出もしなければ、おそらく全教科「1」という結果になります。

 しかし、登校が難しくても、宿題や課題を自宅でやって提出させてもらう、テストだけ保健室などの別室受験をさせてもらう、といった工夫をすると、その1が3になることもあります。

 さまざまな高校がさまざまな判断基準を持つ中で、一概には言えないのですが、たとえ内申点がすべて1でも、当日の試験得点が高ければ、それらをカバーし合格することも可能です。

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これだけで大丈夫! ずっと不登校でも1年で希望の高校に合格する方法

植木 和実

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