「不登校の子どもたちにとって、高校入試はビッグチャンス」と話すのは、不登校専門のオンラインプロ家庭教師「イエローシードラビー」代表の植木和実さん。高校入試がビッグチャンスになる理由や、不登校から高校入試にチャレンジするメリットについて、著書「これだけで大丈夫! ずっと不登校でも1年で希望の高校に合格する方法」(日本実業出版社)からお届けします。

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高校入試は勉強を始める最大のモチベーションになる

 これまでたくさんの不登校の子どもたちを教えてきましたが、多くの場合、中2の夏くらいになると、生徒たちから高校についての質問が出始めます。

「高校ってどんなところ? 選び方、わからない」
「いままで不登校でも、行けるの?」
「毎日どれくらい勉強したら行ける? 10時間くらい?」
「叶うなら、大学は慶應に行きたいけど、まだ可能性はある?」
 と、前向きに表現する子たちもいます。

 一方、自信がなくてあきらめてこんなふうに表現する子もいます。

「みんなは毎日勉強しているのに、自分は勉強してこなかったから、どうせ無理」
「いまから毎日8時間くらい、やらなきゃいけないと思ってる。でも、自分はどうせできない」
「どうせ、通信制高校くらいしか行けない」
「人生終わったから、もういい」
 でも、「合格したら行く?」と聞くと、多くの生徒が「それは、行く」と答えます。

 実は、生徒たちは、私たち大人が感じている以上に高校のことや将来のことを考えています。しっかりと、「中学を卒業したら、義務教育からはずれる」ことを認識し、口に出さなくても「どうやって社会に出ていったらいいんだろう」と不安になっているのです。

 でも、そんなふうに将来について子どもが不安になっているときこそ、つまり、中学卒業、高校入試こそ、自分の将来について真剣に考え、言葉にし、戦略を練り、嫌いな勉強を始める最大のモチベーションになるのです。

 実際に、受験を意識して勉強や登校を始める子も多いです。「それまでは、何度声がけしても聞く耳持たずだったのに、中2の秋に声がけしたら、あっさり“やろうかな”と言い出した」という話は、「あるある」だったりします。

 そして、1年あれば、たとえ小学校から不登校でも、中学までの学習内容を習得することは可能なのです。

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植木和実
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