首都圏に300校以上ある中高一貫校。わが子に合った志望校を選ぶためには、教育方針や校風、進路実績など、それぞれの学校の特徴をよく把握することが大切です。偏差値だけではわからない学校の強みを知るために、首都圏の中高一貫校をさまざまな視点から評価したランキングを見てみましょう。本稿では、施設・設備が充実している学校のランキングを紹介します。

MENU 新校舎が完成した学校は「翌年の志願者が増える」傾向に 大学付属校の施設が充実している理由 ランキング外の注目校は

新校舎が完成した学校は「翌年の志願者が増える」傾向に

 中学受験の志望校選びの際、校風や進学実績などと同じくらい注目したいのが、校舎や施設といった「ハード」の部分です。深く学びたい分野や力を入れたい部活動などがすでに決まっている場合、それらに使われる施設や設備が充実しているかどうかは、学校を選ぶ際に大切なポイントの一つです。

 また、大学通信情報編集部の大野香代子さんは「新校舎が完成した学校は翌年の志願者が増える傾向にある」といいます。

「きれいな外観や内装のほか、廊下や歓談スペースなど生徒の居場所が多い校舎、最新の設備がそろった実験室や実習室、ICT機器が整った教室などは魅力的です。実際に自分の目できれいな校舎を見ると、ますますその学校に行きたいという気持ちが強くなります」(大野さん)

 そこで今回は、「中学受験のプロ」である首都圏の学習塾に「校舎など施設、設備が充実している中高一貫校」についてアンケート調査を行い、303学習塾の塾長、教室長の回答から作成したランキングを紹介します(2024年、大学通信調べ。学校名を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント……として集計)。

首都圏の学習塾にアンケートを実施し、303学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。無印は公立、◎印は私立を表す。2024年、大学通信調べ。
首都圏の学習塾にアンケートを実施し、303学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。無印は公立、◎印は私立を表す。2024年、大学通信調べ。

 1位の東洋大京北(東京都・文京区)は、かつては男子校でしたが、2015年に共学化して東洋大の付属校となり、東洋大の白山キャンパスの近くに新校舎とグラウンドを建設しました。地上4階、地下2階の校舎は冷暖房完備で、人工芝のグラウンドには全天候対応の200メートルトラックを備えています。

「共学化に加え、明るく広々とした校舎が受験生に好評で、人気校になっています。東洋大とのつながりが強くなったことがいい効果を生んだ例です」(大野さん)

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白井裕子
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