校長先生の教育方針も大きいという印象があります。各高校の学校説明会や個別相談が設けられていますので、ぜひ事前に参加し、率直にご相談なさってみてください。
いままで教え子が入学した私立高校で、一番歩み寄ってくださった高校は、個別相談のあと、その高校の校長先生自ら生徒の在学中の中学校に連絡をくださり、ぜひうちに入学してほしいと、力になりたいと伝えてくださったそうです。
生徒の学力が高かったことも一因だと思いますが、校長先生の温かさに私も感動しました。さまざまな学校があり、もちろん美談ばかりではない現状も見ておりますが、門戸を叩くことで道が開けることもあります。
また、近年では、たとえば東京都のエンカレッジスクールのように、これまでの学校の学びのスタイルでは力を発揮できない・うまくいかない生徒のやる気を育て、社会生活を送るうえで必要な基礎学力を身につけさせることを目的として運営されている、全日制・学年制・普通科および専門学科の高校もあります。
そうした高校では、発達障害や学習障害があり特別な配慮が必要な生徒の学び直しにも力を入れています。入学試験は学力試験がなく、調査書と小論文、面接で合否が決まります。このような取り組みは各地にあり、ぜひ、お住まいの地域についても調べてみてください。
通信制高校
通信制高校は、通信による教育を行なうことを目的とした高校です。
決められた単位数の取得と、36カ月以上の在籍期間(転入の場合には、その前の在籍校の在籍期間が認定されることがあります)、50時間以上の特別活動への参加で、卒業資格を得ることができます。
カリキュラムも学校によってさまざまで、スクーリング期間(年間10日ほど)をのぞき、必ずしも登校は必要ありませんが、「週5クラス」「週3クラス」など、独自のカリキュラムを設置している高校もあります。
昨今、少子化の影響もあり、全日制・定時制高校の生徒数は減少傾向にありますが、2023年度の文部科学省の学校基本調査によれば、通信制高校の在籍生徒数は26万4974人、前年に比べて2万6530人増えており、高校生の9・1%(12人に1人)が通信制高校の生徒です。
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