先生という立場からすると、まだ道になっていない道を案内するのはすごく危険。先生は大勢を導かなければいけない立場だから、一番安全な道を案内するしかないんじゃないかな、って思ったんだ。本当は一人ひとりにあった道を案内してあげたくても、先生一人に対して生徒の数はすごく多いから、限界があるのかも。
よしおが子どものころだと、コンピューターゲームは「けもの道」扱いだったはず。だけど、いろんな人が少しずつ道を開拓して、今はEスポーツっていう道ができて、それを案内できるようにもなった。昔よりもいろんな道はできているはずだから、先生がいろんな道を案内してくれる日も近いのかも。
だから、ネマキリンはネマキリンが思うように、自由にいろんな道を歩めばいいと思う。いろんな人が自分の経験を動画でも発信しているから、昔よりもいろんな道が探しやすいと思う。新しい道を自分で見つけていけばいいと思うよ!
進んだ道に、奇跡的にオアシスがあった
じゃあ、どうやって新しい道を見つけるのか。先生の言う道とは全然違う道を歩んできたであろうよしおの経験を聞いてくれる?
よしおは、昔からみんながあまり進まない道を進んでいた。かといって、先生が言うようなことに疑問を抱いていたわけでもなく、とにかく目立ちたかったんだ(笑)。安全と言われている道を行くよりも、枝をたどって進んだほうがおもしろそうだな、みたいな。だから、周りの人からも「危ない、危ない!」ってよく言われていたよ。
大学受験では浪人したけど、予備校には通わず自習室しか使わなかった。いざ受験するときも、滑り止めは受けなかった。芸人という道も、同じ大学に進んだ人のなかではみんなが選ばない道だった。芸人になっても、ひとりで裸芸でリズムネタって、芸人に憧れられるような芸風でもなくて……(苦笑)。
子ども向けライブを始めたのは、自分で選んだというよりは先輩に「行ってこーい!」って言われて始めた感じだけど、なんとかあきらめず進んだ。そうしたら、奇跡的にオアシスがあったり、ルートが見つかったり、自分にとっては楽しい道だったんだ。
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