「今の保護者は、教育熱心ではあるけれど、学校名やブランドにこだわらず、明らかに新しい教育を求めています。中学受験でとくに支持を集めるのが、グローバルとSTEM教育の要素を持つ学校です。最近は理系の男子校がグローバル教育に、英語教育に強かった伝統女子校がSTEMに乗り入れ、男女別学人気が戻ってきています」(北さん)

 中学入試における最新の注目トピックは、最難関校のひとつ、豊島岡女子学園中が2025年度入試から「算数1科目と英語資格入試」を導入したこと。

「小学校受験の倍率ランキングで常連の光塩女子学院、日本女子大附属も、付属中学が算数1科目入試を導入しました。今後も追随する学校は増えるでしょう」(北さん)

小学校受験の「不合格」、子どもにどう伝えたらいい?

 最後に、志望校への進学がかなわなかったケースについても触れておきたい。

 2000以上の小学校受験家庭をみてきた大原さんによると、「合否を子ども自身で受け止めなくてはいけない中学受験と異なり、お受験では、不合格を子どもに伝えない家庭も多い」という。

「“どの学校からも招待状をもらえたけれど、パパとママはあなたにぴったりな近くの公立小学校を選んだよ。入学おめでとう”と伝える親御さんもいました」 

 小学校受験にせよ、中学受験にせよ、親は縁のあった道で子どもが生き生きと過ごせるよう、サポートすることが最も大事なのかもしれない。

(取材・文/曽根牧子)

【前編】中学受験と小学校受験の“決定的”な違いとは? 親が選択に迷わないための“見極めポイント”
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曽根牧子
編集者/ライター 曽根牧子

編集者・ライター。『AERA English』『英語に強くなる小学校選び』などで国際教育、英語学習、小学校受験に関する記事を執筆。

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