子どもの将来に影響するかもしれない「学校選び」。昨今は、中学受験の過熱をうけ、「小学校受験をさせたほうがいいのでは?」と考える親御さんも増えてきているといいます。小学校受験か、中学受験か、わが子にとって“ベストな道”を選ぶために、見極めポイントを小学校受験家庭を指導するコノユメSCHOOL代表・大原英子さんに聞きました。

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小学校受験はまだまだ「超少数派」

 都心に住み、就学前の子どもを持つ親なら、「わが子には小学校受験と中学受験、どちらがいいか」迷ったことがある人もいるだろう。

 文部科学省の調査(2024年度)によると、全国の小学校1万8980校のうち、私立小学校は244校あり、国立小学校67校を足しても全体の2%未満。近年、共働き家庭が増えるなど受験者層の裾野が広がっているとはいえ、小学校受験はまだまだ「超少数派」だ。首都圏でみると6歳(就学年齢)人口の約30万人のうち、24年度の私立・国立小の志願者数は約2万4千人だった(バレクセル調べ)。   

 一方で、24年度の首都圏の私立中学入試は、受験者数が5万2千人(首都圏模試センター調べ)と過去40年で2番目に多い数となり、受験競争は過熱している。

小学校受験では、子どもの何をみられている?

「過酷な中学受験を回避することを目的に、小学校受験を選ぶ家庭もありますが、そもそも小学校受験と中学受験の対策はまったくの別物です」

 こう釘をさすのは、これまで2千組以上の小学校受験家庭を指導してきたコノユメSCHOOL代表・大原英子さん。

 中学受験を自身が経験したことのある大原さんは、5、6歳児が挑む「お受験」について、「原則として小学校側は、選考基準を公表しないため、正しい情報がみえにくい」としたうえで、「学力テスト一発勝負の中学受験と違って、願書や面接、集団でのふるまいを見る“行動観察”、絵画工作、体操、口頭試問など、点数化しにくいさまざまな物差しで子どもの素の姿をみられます」と話す。

 とくにみられているのが、「うまくいかない時、どう考えて行動するか」だという。

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曽根牧子
編集者/ライター 曽根牧子

編集者・ライター。『AERA English』『英語に強くなる小学校選び』などで国際教育、英語学習、小学校受験に関する記事を執筆。

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