大学付属、進学実績のいい学校… どの小学校を受けるべき?

 家庭に小学校受験の適性があり、金銭的条件もクリアしている場合、次に大事になってくるのが「どの小学校を受けるか」だ。中学受験と違って、小学校は受験年齢が5、6歳であることから、志望校選びには親の意思のみが働く。

 首都圏の私学のトレンドに詳しい北さんは、「保護者はいくつかのパターンのなかから、自分たちの望む教育環境を選んでいく」と話す。

「第1のパターンは、慶應、早稲田実業、学習院、青山学院といった大学付属一貫校です。高い確率で系列の大学に入れることから昔から変わらない人気で、とくに早稲田実業は2002年に初等部ができてから、中高の定員が少なくなり、中学受験では狭き門となってしまった」(北さん) 

 第2のパターンは、暁星小、精華小、聖徳学園小など学力を重視し、付属中高の進学実績が高い小学校。そして近年躍進ぶりがめざましい第3のパターンが、東京都市大付属小、洗足学園小といった、中学受験のサポートが手厚い新興校だ。毎年、開成、麻布などの難関中学の合格者が出ている。

「第2、第3パターンの小学校では、放課後にサピックスや早稲田アカデミーなどの進学塾に通う子が多かったのですが、今は状況が変わり、忙しすぎて子どもの心が疲弊しないように学校側がかなりケアしているようです」

 前出の大原さんは自分自身と、子ども2人が中学受験を選んだ経験からこう話す。

「中学受験の競争は熾烈なので、小学校から早慶など大学付属一貫校に入るのは相当なメリットといえるでしょう。また、中高の偏差値から考えると、雙葉や立教女学院、早稲田実業などは、学力だけを求められる中学受験よりも小学校からのほうが入りやすい場合もあります」

2026年度からは中学受験者数が減少していく?

 北さんは、「少子化が進み、今の小5が受験する2026年度からは、中学受験者数が減少していく」と予測。その中でも強調したいのは「時代の流れとともに学校教育に対する世間の価値観が変わってきている」という点だ。

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