孔子が言うように、この世の中は、美しく振舞うだけではなく、才知を働かせて、技術の革新にも対応ができるようにしておかなければならないのです。

 相談者さんは、父親として「妻にやめさせる」と考えるのではなく、ぜひ客の少ない時間帯などを選んで、息子さんにバーコードの読み取りを任せてあげてください。

 セルフレジが使えない高齢者の方々もこれから増えるでしょう。もしかしたら、相談者さん自身が、セルフレジを使えずに困る人になる可能性もあるのです。息子さんもはじめは慣れないから「ままごと感覚の迷惑行為」になるかもしれませんが、人にセルフレジの使い方を教える達人になれるかもしれませんよ。

 さあ、子どもも大人もみんなで、できるだけセルフレジを使って、豊かな発想で時代を生き抜きましょう!

【まとめ】

「迷惑行為だからやめさせる」のではなく、客の少ない時間帯に練習させてあげて。時代に即した柔軟な対応を。

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山口謠司
山口謠司

山口謠司(やまぐち・ようじ)/中国文献学者。平成国際大学新学部設置準備室学術顧問。大東文化大学名誉教授。1963年、長崎県生まれ。同大学大学院、英ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。NHK番組「チコちゃんに叱られる!」やラジオ番組での簡潔かつユーモラスな解説が人気を集める。2017年、著書『日本語を作った男 上田万年とその時代』で第29回和辻哲郎文化賞受賞。著書や監修に『眠れなくなるほど面白い 図解論語』(日本文芸社)など多数。2021年12月に監修を務めた『チコちゃんと学ぶ チコっと論語』(河出書房新社)が発売。ラジオパーソナリティ、イラストレーター、書家としても活動。フランス人の妻と、大学生の息子の3人家族。

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