好奇心こそ最高の教育の機会

「子どもの『なんで?』『どうして?』を大切にして、できるだけ答えてあげるようにしています。子どもに同じように問いかけることも頻繁にあります。これは『精緻的質問』と言いますが、どんな些細なことにも『なぜ?』と思いながら過ごすと、知識に深みが生まれるだけでなく、日常が楽しく過ごせるような気がします。また、子どもの好奇心もとても大切にしています。子どもが何か興味を持ったら、そこに突き進められるような環境を与えてあげたいと思っています。あとはなんといっても本に接する機会を増やすことですね」

 最後に中学受験を考えている親御さんに向けてのアドバイスをもらった。

「目標に向かって勉強することはとてもいいことだと思います。しかし、周りと比較されたり、親に叱責されたりすることが増えて、自己肯定感が下がってしまうのは問題です。こんな時こそ、親は周りと比較しない価値観を持ち、何があってもあなたの味方である、ということを子どもに伝えていくことが大事だと思います」

 自身も親に大切にしてもらった経験がベースにある、という安川さん。

「勉強ができなくても、運動ができなくても関係ない、という『無条件の愛』を示すことが子どもの人生にとって何よりの資産になるのではないでしょうか」

(文:江口祐子) 

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