希望・活力・恋・友情……。
歌やドラマのテーマにもなることが多く、これぞまさに若者の特権!って感じですよね。
でもね〜現実を見ると青春ってスクールカースト上位者にしか持てない要素が満載なの。
『青春』は誰もが通る同じ一時代であるにも関わらず、かたや同級生が青春を謳歌している同じ時期に暗黒時代を過ごしている子もいることだって珍しくはない……。だからこの言葉に含まれる感情や経験は多岐にわたり、同じ言葉なのに人によってそれぞれ違う印象を持っているものなんですよね。まったくの他人に使う場合と自分やわが子に思う場合とで、全然違った情緒の波が押し寄せてくるのもそのせいなのかな。
それを踏まえて自分の中学生時代を振り返ったら、ついこの間まで無邪気に鬼ごっこしていた同じメンバーが、中学生になった途端に好きな人やらファッションのこと、アイドルの話をし始めて、自分だけが幼いままだったことに気づいた時の疎外感を思い出して胸がギュッとなりました。みんな……春休みの間に一体何があったんだ……?
まわりの友達が一斉に青春謳歌モードにシフトしていることに気づいて、あの頃の私は慌てたもんです。みんなに合わせなければ! 一緒に青春しなければ! と焦って好きでもない人を好きということにして、好きでもない人の写真を渡されてみんなと同じように一応定期入れに入れてみたりして、それがひょんなことから本人バレしてなんかものすごく気まずくなってしまった、甘酸っぱいどころか苦〜い思い出が甦ってしまい壁に頭打ちつけたくなりました。
容姿にもコンプレックスが出る時期で、顔立ちもスタイルも恵まれた女子たちを羨望の眼差しで見上げていた記憶しかないし、スポーツや勉強で特別輝けるタイプでもなく。んん〜青春……自分のこととなるとさっぱり爽やかな香りがしてきません!!
で、ふと気づいたんです。
中学生って第二次性徴の時期じゃないですか。歯の生え変わりが完全に終わって声変わりや身長、体つきがガラッと変わってきたり、精神的な変化があったり……そこには実は大きな個人差がありますよね。すっかり記憶が薄れているけど、乳幼児期って4月生まれと早生まれの子では1学年違うくらいに成長に大きな差があったのと同じで……。うちは上の子二人が早生まれなのですが、今はできなくてもそのうちできるよ、早生まれなんだから仕方ないよ〜という慰めの言葉を何度も聞いてきました。
次のページへ背伸びすると、苦味ばかりが残る