――叱らないといけない場面ではどうするのですか?

 悪いことをほとんどしないので、そういう場面があまりないんですが、僕は大声で叱るみたいなことができないタイプで。ちょっとした悪さをしたときには、息子の脇をこちょこちょくすぐって冗談っぽく「もうやるなよ~!」と言うと息子も笑いながら「わかったわかった、ごめんごめん」みたいになりますね。

――子育てにおいて奥さまとぶつかることはなかったですか?

 全くないです。僕は妻のやり方が一番だと思っているので。相方のブレイクで急に仕事が忙しくなったことをきっかけに、息子が生まれて数カ月で、バタバタと大阪から東京に引っ越したんです。僕は「家族を養っていかねば」「東京進出したからには爪痕を残さねば」と必死だったので帰宅は毎晩遅くて。妻は友だちも親も近くにいない、誰も頼れない状態で子育てしないといけない状況になってしまって、ずっと申し訳ないという気持ちがありました。ほんまに、よう子育てしてくれたな、って感謝しています。

――確かに生後数カ月のときに環境が大きく変わるのは、奥さまも大変でしたね。単身赴任という選択はなかったのですか?

 海原やすこ・ともこ先輩が「単身赴任して失敗した人をいっぱい見た」と言っていたのを思い出して。あと僕は小4の夏休みに熊本から愛媛に引っ越し、転校したのですが、それが人生で一番つらかった経験で。息子にはそういう思いをさせたくなかったので、友だち関係ができる前に引っ越したほうがいいという思いがありました。

家族の絆を強めた亡き娘の存在

――武丸くんは現在19歳。どんな親子関係ですか?

 今は息子というより弟みたいな感じですね。「今日は何時ごろ帰るよ」って連絡をくれますし、「今どこどこのあたりにいるのだけど、おいしいラーメン屋さん知らない?」とか聞いてきます。うちは1つだけルールがあって。子ども部屋にタブレットやスマホを持ち込むなと。だから息子も家では寝るとき以外リビングで過ごすんです。YouTubeを見たりゲームをしたりするときは、妻も自分のやりたいことはせず、息子と一緒に見ていますね。

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