子どもの教育について考えるとき、海外との違いも気になるところ。フィンランド、シンガポール、アメリカ(ニューヨーク)から現地の公立小学校に子どもたちを通わせているママたちが集結し、習い事やイベントについて、日本と現地の違いについて教えてくれました。子育て情報誌「AERA with Kids2023年冬号」(朝日新聞出版)からお届けします。

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習い事や塾事情は?

――小学生の習い事として、日本では水泳や英語、バレエやサッカーが人気です。皆さんの国ではどうですか?

Hさん 周りではスポーツをしている子が多いです。サッカーや乗馬、そしてメジャーなスポーツの一つとして「アイスホッケー」があるので、女の子はフィギュア、男の子も氷上のスポーツをしている子が多い印象です。私が面白いな、と感じた習い事の一つに「サーカス」があります。内容としては、体操の延長になるのかもしれませんが、初めて耳にした際は驚きました。

 日本では、一度始めた習い事を一定期間続ける子どもが多いと思います。ですが、フィンランドでは学期ごとに変えていく子どもも少なくありません。幼いころはいろいろな習い事に触れ、本当にやりたいものが見つかれば次を探す、という感じでしょうか。

Sさん アメリカではもっと短く、子どもたちは約3カ月を一つのタームとして次から次へと習い事を変えることができます。町が主催するスポーツ教室では、冬はバスケットボール、春が訪れたらテニス、と時期によって内容も変えていきます。基本的に、夏休みは習い事をストップし、サマーキャンプに出かける子どもが多いですね。

Aさん そもそも共働きが多いため、小学校低学年から放課後は日本の学童に当たる場所で19時ごろまでを過ごす子どももいます。すると、習い事は必然的に週末に通うことになる。面白いことに、バレエに行く女の子たちの多くは、家を出る時からチュチュのようなレッスン着で、髪形をお団子に整えたうえでバスに乗っています。サッカーは男女ともに人気で、年中暑いこともあり、スイミングも一年を通して人気の習い事ですね。そして、勉強ができることを大切にしている国なので、学習塾もあります。

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古谷ゆう子
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