お寿司を作る、というと難しそうですが、「酢飯の団子に魚の切り身を乗せたもの」と考えればいいのです。形はどうでもいいし、上にのせる魚も子どもが好きなものでいい。どうしても魚が苦手な子なら玉子や野菜、お肉でもいいんです。大事なのは、「家族で楽しくやってみる」「最後にはできたものを並べてみんなでおいしくいただく」ということ。
みんなで作ったものを並べると「これは不恰好だね」「これは酢飯が大きすぎるね」などいろいろな感想が出ると思います。正解がないのもいいじゃないですか。「お寿司屋さんみたいにキレイに握るのはどうしたいいんだろう?」「このお魚はちょっと生臭くなっちゃったのはどうしてだろう?」などといった独自の疑問が出てきたらより素晴らしい。それも自由研究として書いてみるといいですね。
――他におすすめはありますか?
絵本にも載せていますが、「イカを捌いてみる」はそれだけで自由研究になりますよ。何しろ形が面白いし、イカ墨を使って絵を描いてみる、なんていうこともできます。子どもは喜んでやりますよ。「自由研究」と固くるしく考えず、エンターテイメントとして楽しんでみるのがおすすめです。
○岡田大介(おかだ・だいすけ)すし作家、寿司職人
1979年、千葉県生まれ。18歳で食の世界に入り、24歳で寿司職人として独立。2008年、東京にて完全紹介制の寿司屋「酢飯屋」を開業。寿司の技術や知識を生かした情報発信やワークショップなども行っている。『おすしやさんにいらっしゃい! 生きものが食べものになるまで』(岩崎書店)で第69回産経児童出版文化賞JR賞、第27回日本絵本賞受賞。2児の父。
(構成/江口祐子)
おすしやさんにいらっしゃい! 生きものが食べものになるまで (かがくヲたのしむノンフィクション)
おかだ だいすけ,遠藤 宏
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