妻は人付き合いが苦手だから、子どもの成長を間近で見たいから、などという理由で、家事や育児をしている父親はたくさんいらっしゃいます。

 文脈からすると、相談者さん自身、あまり積極的・楽天的な性格ではないのではないかと察します。だからこそ、相談者さんは、娘さんには社交的になってもらいたくて、妻に交友関係を広げてもらおうと考えているのではありませんか? もし、そうだとしたら、相談者さんの考えは間違っています。

 なれ合いの人間関係は嫌いだというすばらしい独立自尊の心構えを持った女性と結婚したのですから、ぜひ、そういう妻の人格を認めてそれを見守ってください。娘さんには娘さんの性格、人格があります。

 相談者さんがやらなければならないことは、2人の意見を尊重し、自分なりに今、家族や社会に対して何をするのが一番か?ということを考え、それを実行に移すことです。決して、人任せにはしないでください。すべては自分自身の問題なのですから。

【まとめ】

自分の道をのびのび進む母親を持った娘は幸せ。周囲との付き合いを妻だけに押しつけるのはやめよう

山口謠司(やまぐち・ようじ)/中国文献学者。大東文化大学教授。1963年、長崎県生まれ。同大学大学院、英ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。NHK番組「チコちゃんに叱られる!」やラジオ番組での簡潔かつユーモラスな解説が人気を集める。2017年、著書『日本語を作った男 上田万年とその時代』で第29回和辻哲郎文化賞受賞。著書や監修に『ステップアップ 0歳音読』(さくら舎)『眠れなくなるほど面白い 図解論語』(日本文芸社)など多数。2021年12月に監修を務めた『チコちゃんと学ぶ チコっと論語』(河出書房新社)が発売。母親向けの論語講座も。フランス人の妻と、大学生の息子の3人家族。

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山口謠司
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山口謠司(やまぐち・ようじ)/中国文献学者。平成国際大学新学部設置準備室学術顧問。大東文化大学名誉教授。1963年、長崎県生まれ。同大学大学院、英ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。NHK番組「チコちゃんに叱られる!」やラジオ番組での簡潔かつユーモラスな解説が人気を集める。2017年、著書『日本語を作った男 上田万年とその時代』で第29回和辻哲郎文化賞受賞。著書や監修に『眠れなくなるほど面白い 図解論語』(日本文芸社)など多数。2021年12月に監修を務めた『チコちゃんと学ぶ チコっと論語』(河出書房新社)が発売。ラジオパーソナリティ、イラストレーター、書家としても活動。フランス人の妻と、大学生の息子の3人家族。

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