そして、22年理三合格者高校1位は桜蔭高校だった。13人を数え桜蔭初、女子校で初のトップとなる。同校出身のIさんは鉄緑会で桜蔭OGの教えを受けていた。そのOGも桜蔭に在学中は鉄緑会に通い桜蔭OGに面倒をみてもらったという。こう話す。「桜蔭と鉄緑会、そして理IIIというバトンがそうやって受け継がれているような気がするので、私もそうやって誰かの目標になれれば嬉しいな、と思っています」(『天才たちのメッセージ 東大理III 合格の秘訣◯37』)。桜蔭、鉄緑会、理IIIという黄金のトライアングルは長く続きそうである。中学受験を含めれば、これにSAPIXが加わるはずだ。

 62年から22年までの理三合格者の出身校、合格者数の累計は、設置別に国立大附属13校680人、公立284校1325人、私立152校3352人。合格者数累計の上位校は (1)灘798人(13・1人)、(2)開成396人(6.5人)、(3)筑波大附属駒場362人(5.9人)、(4)ラ・サール329人(5.4人)、(5)桜蔭181人(3.0人)だった(カッコ内は1年平均に換算)。公立高校は、(1)日比谷41人、(2)戸山36人、(3)湘南34人、(4)西33人、(5)旭丘33人。

 理三合格トップになった回数がもっとも多いのは、灘43回、開成7回、筑駒4回、ラ・サールと麻布3回、日比谷2回。そして、1つの高校から理三に多く合格者を出したのは、13年の灘だった。27人を数える。灘は81、87年にも24人が合格している。一方、地方の公立高校でふだんは東大に多くの合格者を出していないが、理三合格者を出した学校がある(以下、カッコ内は所在地・合格者を出した年)。倶知安(北海道・64年)、熊毛南(山口・71年)、三島(愛媛・94年)、天草と八代(熊本・66年)、臼杵(大分・88年)、錦江湾(鹿児島・84年)などだ。

 少子化は理三に人材を送りだした学校も容赦しなかった。自治体の方針で隣接高校との再編で廃校となった理三合格校がある。千歳(東京・63年)と明正(同・66年)は統合して芦花、長後(神奈川・98年)は藤沢北と統合して藤沢総合、日和佐(徳島・97年)は海南と宍喰商業の2校と統合し海部となった。

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