公開中の「映画ドラえもん のび太と空の理想郷」で声優に初挑戦したKing & Princeの永瀬廉さん。映画のことや、「ドラえもん」にまつわる子ども時代の思い出なども聞きました。小中学生向けニュース月刊誌「ジュニアエラ」(朝日新聞出版)3月号からお届けします。

――幼いころから「映画ドラえもん」シリーズが大好きだったそうですね。

 小学校低学年のころ、近所のレンタルビデオ店に行き、「映画ドラえもん のび太の大魔境」のビデオテープを見つけたことがきっかけです。当時は、ちょうどDVDが普及し始めたころで、店員さんに「このビデオ、もうあげるよ」と言われ、持ち帰って。そこから、何度も見るようになりました。

 体調が悪くて学校を休んだときも、「ドラえもん」を見ると、元気になれた。見ている時間は、しんどいことも忘れることができたんです。それから体調が悪く、学校を休んだときは家で「ドラえもん」を見るのが習慣になっていました。

――声優の仕事は初めて。どんなことに気をつけましたか?

 一番気をつけたのは「滑舌」です。コンビニで割り箸を買い、アフレコ中は常に横に置き、滑舌が悪くなりそうなときは、割り箸をかみながらセリフを口にしていました。声優の場合は、自分の動きや表情が見えないので、お客さんには「声」を通して伝えるしかない。「セリフがしっかりと聞こえるようにしよう」と常に意識していました。自分が思っている何倍もの大きな声を出す必要があって、とくに戦いのシーンでは息遣いが難しかったですね。

――演じたのは、空に浮かぶ何もかもが完璧な世界「パラダピア」で暮らす“パーフェクトネコ型ロボット”のソーニャ。どんなキャラクターですか。

 ソーニャには最初は「パーフェクトでなければ」という強い気持ちがあり、完璧であることにこだわっていたけれど、のび太やドラえもんに出会ったことで、そうした思いが溶かされていく。物語の初めのほうでは、明るいけれどどこか無機質な感じのする声、次第に人間味のある声を出せたら、と意識しました。ドラえもんたちと出会ったことでソーニャ自身が変わり、自分の気持ちを言葉にのせるシーンでは、何パターンか録り、監督も僕も「これだな」と思える声が一致したのがうれしかったし、よかったなと思いました。

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古谷ゆう子
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