かつての物置部屋「ごみ部屋」。ワインの箱や子どもの物が置かれていました/Before
かつての物置部屋「ごみ部屋」。ワインの箱や子どもの物が置かれていました/Before

 ごみ部屋の床面積は少しずつ広くなり、片づけは順調そうに思えました。しかし二つ目の課題に直面します。それは夫の「箱買い攻撃」をどうやってクリアするか。

 夫には、ネットで物を買うとき箱単位で注文する癖がありました。カップラーメンにワイン、袋菓子4箱買いなんてことも。

 無邪気なこの行動が、片づけにとっては大ダメージ。計画を立てて不用品を減らしても、空いたスペースにまた物が置かれるのです。「あれ、おかしいなぁ。この間片づけたはずなのになぁ」って。

 心が折れてしまった時は、受講生のFacebookグループに気持ちを吐き出しました。プロジェクトの卒業生や同期が話に乗ってくれました。

「ウチの主人は一切動きませんでした^^; ご主人の所は、自分の所が片づいてからで大丈夫。片づいたら気持ちも変わりますよ」って、卒業生が励ましてくれたり、「旦那さんの箱買いネタ、笑えるから好き」と話題になったり。

 自分の夫だったら深刻になる悩みも、他のお家のことなら笑えたりするから不思議です。

 箱買いの投稿は、「片づけても、片づけても、物が入ってくるシリーズ」としてまとめられ、夫の知らないところで人気連載となりました。

 たまに落ち込みながらも復活するママの背中を見て、子どもたちは自立していきました。上の子は夜勤明けの休日に晩ごはんを作ってくれたし、下の子は脱いだパジャマをちゃんと定位置に戻してくれるようになりました。脱いだ靴を元に戻してくれるようになったのは、2人共通の進歩です。

 そして8月上旬、女性は無事に片づけをやり切ります。ごみ部屋はちゃんと「部屋」になり、30畳のリビングは窓からの景色が映える明るさを取り戻しました。

 実は今回は、さらに先があります。ビフォー/アフターからのアフターで、夫婦に新たな展開があったのです。

 プロジェクト終了後にこの女性は、職業柄お正月もお盆もないからと、ひとり大掃除プロジェクトを進めるべくお掃除モードへとギアチェンジ。

 レンジフードの掃除、業者さんのエアコン掃除、カーテンの洗濯、かつてのごみ部屋にエアコンをつけること。手をつけられずにいた作業をクリアするたびに「いつかやろうと思っていたシリーズ」として報告してくれました。

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箱買いのダメージを最小限にするための作戦