占い師、作家 しいたけ.
占い師、作家 しいたけ.

 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:パートで週3回、時間の融通のきく職場で働いています。人間関係もよく、「常勤になりませんか」と上司から言われています。せっかく声をかけていただき、チャレンジしたほうがいいか迷っています。やりたいのか、やりたくないのか、自分でも判断できないのです。ただ、わかっているのは、上に立つのがとても苦手で、焦るとパニックになること。どうやって決断すればよいでしょうか。(女性/パート/51歳/おうし座)

A:これは悩ましい話ですよね。

 基本的には、いいことだと思うんです。常勤になりませんかと声をかけてもらうのは、あなたのこれまでの頑張りが評価された証拠だし、文脈的には「チャンスに乗る」という考え方もあると思います。でも一方で、チャンスに乗るということは、やらなきゃいけないことが増えるということでもあるわけで。

「今度みんなで飲むんだけど、よかったら来ない?」と誘われるときも同じ。冷静に考えたら行かないほうがいいとわかっていても、断るのが申し訳ないのと、何らかのチャンスを逃してしまうんじゃないかみたいな、そういう思いをかき立てられてしまう時が僕もあります。

 第三者に意見を聞くという時点で、おそらくやりたくないという気持ちがあるように思います。であれば、一度駆け引きをしてみてもいいのではないでしょうか。

 1回目は断ってもいいと思います。「ちょっとごめんなさい。パニックになってしまうことがあるし、常勤になってまで頑張れる気がしない」と。

 でもこれまで通りのパフォーマンスを発揮していたら、向こうも駆け引きとして、「うちにとってあなたはどうしても必要な人だから、じゃあこういう待遇にするから、こういう働き方ならどうですか」と次の打診があるかもしれません。最初に提示された条件に乗っかるんじゃなく、一旦断らせてもらって、違う条件が出てくるまで待つ。もしくは自分から別の条件を提案するのもいいと思います。

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しいたけ.

しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「しいたけ. 公式サイト」では月刊占いやコラムを連載中。 https://shiitakeofficial.com/

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