清水一行さん(右)と清水浩代さん(撮影/写真映像部・高橋奈緒)
清水一行さん(右)と清水浩代さん(撮影/写真映像部・高橋奈緒)

 AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2023年1月16日号では壽屋・代表取締役社長の清水一行さん、取締役副社長の清水浩代さん夫婦について取り上げました。

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夫25歳、妻22歳で結婚。夫婦二人暮らし。

【出会いは?】日米会話学院の音楽サークルで。

【結婚までの道のりは?】夫が正月に親戚が集まる席に妻を連れていったところ、両親が気に入り、結婚させてほしいと妻の両親に頼みに行った。

【家事や家計の分担は?】自分のことは自分でするのがモットー。財布も別々。

夫 清水一行[68]壽屋 代表取締役社長

しみず・かずゆき◆1954年、東京都生まれ。法政大学中退後、米国留学を経て78年壽屋に入社、86年から現職。フィギュア、プラモデルの企画開発を成功させ、17年に東証ジャスダック(現スタンダード)市場に上場を果たす

 一時は廃業も考えた家業の店を上場企業にまで成長させるまでの道のりは大変でしたが、今となってはその苦労もあまり思い出せないですね。夫婦二人の給料を合わせて月10万円という時期もあり、アパートに遊びに来た友人には貧しくてかわいそうとまで言われたけど、当の自分たちはけっこう楽しく暮らしていたんですよ。

 何に対しても物おじしない性格の妻は人と人とをつなぐことが得意で、取引先や顧客との信頼関係を作ってくれました。きっかけを作ったのは私でも、それを社員と一緒に持続的なビジネスに育て上げてくれたのは妻でした。

 私たちふたりの間にはずっと壽屋があったので、いつか仕事を引退する日が来た時、どんな夫婦になるのか、ちょっと想像がつきません。妻にはやりたいことがたくさんあるから、一緒に過ごす時間は相変わらず少ないかもしれないけれど、いよいよあちこち飛び回れない身体になったら、その時は一緒に老人ホームに入ろうな。

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