観光客が戻り始めた日本。お金より人間
に価値を置く国であってほしい
観光客が戻り始めた日本。お金より人間 に価値を置く国であってほしい

 一方で、日本が慢性的な労働力不足を補うために「外国人技能実習生」の名目で受け入れている労働者たちへの非人道的な処遇が問題になっています。日常的な暴力や過酷な労働、追い詰められた末の滞在期限切れ外国人への無慈悲な対応。お金を落としてくれる人たちへの「おもてなし」だけでなく、社会を支える人たちへの「人権尊重」をこそ日本の美徳としてほしい。お金ではなく人間に価値を置くことが、誇れる日本のあるべき姿ではないでしょうか。

◎小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。寄付サイト「ひとりじゃないよPJ」呼びかけ人。

AERA 2023年1月2-9日合併号

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小島慶子

小島慶子

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。共著『足をどかしてくれませんか。』が発売中

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