──小さい頃から絵を描くこととファッションが好きで、将来は「漫画家かデザイナーになりたかった」。そんな彼女がつくる動画は独創的で、笑いの要素もちりばめられている。クリエイティビティーの根源にあるのは、あくなき好奇心だ。俳優の仕事にも臆することなく挑む。

景井:お芝居は経験も実力もまだまだですが、演じることは楽しいし面白い。でも演じているときは毎回不安なんです。戸惑ったのは、TikTokって元々内カメで撮っているので、自分の表情を見ながら動画を撮れるんですけど、ドラマや映画はカメラマンさんに撮ってもらっているので、自分が今どんな表情をしてるのか分からない。最初の頃は「もう一回、今のテイクください」って言われても、さっきの自分どんな顔してた?みたいな。実際に撮られる側になると「全然できていないんだな」と実感するので、もっと勉強してお芝居を学んでいきたいと思いました。

■フォロワーの声が原点

──これからはバラエティーのロケにも挑戦したいと意気込む。だが、活躍する場所が増えても、彼女にとってのホームはやはりTikTokだ。

景井:今、様々な講演会に呼んでいただいて、いじめ問題のお話をしたりすることもあるのですが、それもTikTokをやっているからだと思うんです。どんなに忙しくなっても毎日19時の投稿は続けたい。「今日すごく嫌なことがあったけど、ひなちゃんの動画があるから頑張れます」という皆さんからのメッセージが、私の原点なので。

(構成/ライター・西澤千央)

AERA 2022年12月5日号