映画「ヘルドッグス」は、相性98%の最強コンビがくり出すクライムエンターテインメント。初めてタッグを組んだ主演の岡田准一と坂口健太郎が振り返った。AERA2022年9月19日号の記事を紹介する。

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──警察官時代に大切な人が殺されるという事件を止められなかったトラウマを抱え、闇に堕ちた男、兼高昭吾(岡田准一)。その狂犬ぶりで警察に目をつけられ、関東最大のヤクザ組織「東鞘会」への潜入を命じられる。そんな彼の正体を知らずにバディを組むのは、死刑囚の息子という境遇ゆえに心に闇を抱え、組織内でも手が付けられない制御不能な存在、室岡秀喜(坂口健太郎)だ。警察のデータ分析によれば2人の相性は98%。そんな最強の狂犬コンビが組織を上り詰めていく。

■すごく相性がいい

岡田:坂口君のことは素敵な人だろうなと思っていました。現場でどういうふうに向き合われるのかなってすごく楽しみにしていたんです。実際お会いしたら、本当に素敵な人でした。現場の佇(たたず)まいがきれいだし、映画ですごく相性がいい役柄でしたが、一緒に仕事をする上でもすごく助けてもらいました。僕はヤクザ組織に潜入してる役なので、正体がバレてはいけない“静”の役。感情を出さないような表情が多かったのですが、室岡の存在がそのバランスを取ってくれました。

坂口:ありがとうございます。兼高と室岡の相性が98%でも、実際に芝居をしてみたら俳優としては合わないこともあるかもしれないじゃないですか。それが本当に98%ではないですが、岡田さんとお仕事をご一緒させていただけて、単純にすごく楽しかったんです。役を演じてる時も、役から離れた時もすごく心地よさを感じていました。

岡田:僕は室岡が兼高のことを好きだということが、すごい支えになったんだよね。

坂口:実際、室岡としても兼高のことをすごく好きだっただろうと思います。僕も岡田さんが本当に好きだったので、冒頭の2人で行うトレーニングシーンは、お芝居のようでお芝居ではないような感覚もありました。

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