■教員側にも緊張感

「自分で選ぶとなると、生徒は真剣に考えます。自分に甘いところがあるから厳しい先生にしようとか、どの先生なら自分の成長に繋がるか、熟考して選んでいます」(村上亜矢子教頭)

 メンターは半年ごとに選び直す。教員にとっても、なぜ希望者が少なかったのか、何を改善すればいいのか緊張感が生まれているという。

「生徒にも先生との相性のよし悪しはある。生徒に我慢を強いて、教員が安穏としているわけにはいきません」(同)

 朝礼は教員が持ち回りで行うが、週に2回メンターの朝礼があり、中1から中3まで学年混合で集まる。移動時間を考慮したため、1日の時程も変更したという。

「生徒にとっても異学年で同席したり、居場所が二つあったりするのはいいことだと思います」(同)

 教育目標に「学び続けるLEARNER」を掲げており、土曜日と平日の2コマを利用して週に6時間、独自プログラムのLEARNER’S TIMEを設けている。プログラミングやオンライン英会話、探究学習などがある。さらに定期考査を廃止し、2、3週間おきの確認テストに変えた。

 来年度に完成する新校舎には、クラスを仕切る壁がなく、机や椅子はキャスター付きにして、簡単に机や椅子の配置を変えることができるように計画中。

「以前とは学びが変わっています。クラスでグループ学習をしたり、1人で自習したりと、さまざまな学習スタイルが混在するようになるかもしれません。そんな新しい学びに、フレキシブルに対応できるような環境にした」(同)

(ライター・柿崎明子)

AERA 2022年7月18-25日合併号より抜粋