参院選最後の訴え(写真/編集部・井上有紀子)
参院選最後の訴え(写真/編集部・井上有紀子)

 7月8日に奈良市で銃撃された安倍晋三元首相が応援演説する予定だった、自民党公認で参院選東京選挙区から立候補している元おニャン子クラブの生稲晃子氏(54)が9日、街頭演説をした。前日は街頭演説を中止したが、参院選最終日のこの日再開した。陣営関係者によると、事件を受けて安全対策を強化し、選挙カーの屋上に防弾のパネルを付けたという。演説では安倍元首相への思いを中心に語った。

 最後の街頭演説は銀座四丁目交差点で行われた。選挙カーに登壇した生稲氏は、腕に黒の喪章をつけた。選挙期間中、ピンクのシャツがトレードマークだったが、この日は白のポロシャツを着た。陣営関係者によると、弔いの気持ちを込めているといい、白を身に付けたのは初めてだという。

 演説の冒頭に黙とうした生稲氏はマイクを握り、

「このような蛮行を許していいんでしょうか。民主主義の根幹を揺るがす、こんな行為を許していいのでしょうか。私は絶対に許しません」
 と語った。

 生稲氏は公示日の6月22日に安倍元首相と一緒に街頭に立った。陣営関係者によると、生稲氏が安倍元首相と最後に会ったのは、6月27日夜にあった生稲氏の演説会だという。

「今日ここに安倍元総理大臣が応援に駆けつけてくださるはずでした。それがかなわなくて、とても残念です」

 安倍元首相とのエピソードも紹介した。

「私は安倍先生に『演説が苦手なんです』と話したら、『大丈夫。慣れるから。私も始めた頃は苦手だったんですよ」と励まされた。励ましていただいたときの、あの優しい笑顔を忘れることができません。安倍先生が目指した、思い描いていた日本を私たちが引き継いでいく。描いていかないといけない。それを改めて今日強く思いました。安倍先生の思いをしっかりと受け継いでいきたい。だから私は戦っていきます。でもそのためにはこの参院選で負けるわけにはいかないんです」

 そして、

「この参院選で勝たなくてはいけないのです。私を国会に送ってください」

 と訴えた。

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