占い師、作家 しいたけ.
占い師、作家 しいたけ.
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:しいたけ.さんは自死についてどう考えますか。とても生きにくい時代になりました。著名人の自死を知るたび考えさせられます。いつか人は必ず生涯を終える。だから懸命に生きることは大切だと理解しています。しかし亡くなった方は他人が思う以上に悩み考え傷ついた事実があり、それで出した答えだと思うのです。(女性/47歳/おとめ座)

A:これはある人が言っていたのですが、「向こう側に行ってしまった人のことについて、あまり共感しすぎないほうがいい」という意見があります。これを聞いたとき、僕も腑に落ちたというか納得しました。

 誰かが死んでしまうことは、すごくインパクトが大きいことです。身内や家族の場合は考えざるを得ないと思いますし、たくさん考えることが残された人たちの務めでもあるのかもしれないと思います。でもそうではない有名人とかに対してあまりに思いすぎてしまう、共感しすぎてしまうことには、気をつけたほうがいいと思う。

 自死というものに対する考え方ですが、例えば「今後こうなった時にどういう選択をしようか」と考えを巡らせることはありますよね。破産したらどうしようとか。でも自死という究極の選択をその中に入れてしまうと、今生きている価値観自体が全部崩れてしまう。それだけ死は大きいものだし、だからこそ取り扱いには注意したいと僕は思っています。

 一方で、自分が死ぬ前にやりたいこととか、自分が死ぬときに後悔することは何だろう、と考えて今の生き方を決めるのは、有効な考え方だと思います。もっと好きなもの食べておけばよかったとか、そういうのが必ず出てくるはずだから。自分が何をしたらいいのかわからないときに、ヒントになってくれますよね。

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