個人投資家、FIRE評論家の桶井 道<おけいどん>さん。47歳で億の資産を築き勤務先を早期退職。現在も資産運用は継続、大手ウェブ媒体の連載や単行本の執筆をしつつ余暇を楽しむ(キリンのイラスト/いぢちひろゆき)
個人投資家、FIRE評論家の桶井 道<おけいどん>さん。47歳で億の資産を築き勤務先を早期退職。現在も資産運用は継続、大手ウェブ媒体の連載や単行本の執筆をしつつ余暇を楽しむ(キリンのイラスト/いぢちひろゆき)

 いわゆる「FIRE(経済的自立と早期退職)」を達成した人が必ずといっていいほど保有している金融商品がETF(上場投資信託)。通常の投資信託との違いは? また、一口にETFと言っても、日本市場に上場する「東証ETF」と、主に米国市場に上場する「海外ETF(米国ETF)」の2種類がある。どちらがいい?

【注目】投資信託・東証ETF・海外ETFを比較

 冒頭で「2種類のETF」と書いたが、違いは何か。まず日本の東京証券取引所に上場しているのが「東証ETF」。東証に上場というと「中身は日本株」と勘違いされがちだが、中身はさまざま。あくまで東証で売り買いされている、というだけだ。

 米国のS&P500に連動するETFもあれば全世界株式の指数に連動するETFもある。もちろん日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)と同じように動くETFも。

 2つ目が「海外ETF」だ。主に米国市場に上場しており、東証ETFより種類が豊富である。ETFの分配金を着々と積み上げている個人投資家の桶井道さんに聞いた。

「海外ETFにも東証ETFと同様にS&P500、全世界株式、先進国株式などおなじみの指数に連動するものがあります。それ以外にも米国の高配当株を集めたものやナスダック市場の100銘柄をまとめ買いできるもの、インド株が入ったもの、欧州株が入ったものなど。

 SBI証券、マネックス証券、楽天証券の品ぞろえが特に多いです。各社350本前後から好きなものを選べます」

 通常の投資信託(以下、投信)は上場しておらず、値段が決まるのは1日1回。ネット証券なら100円から買えて、売買手数料や為替手数料はかからない。

 信託報酬(運用コスト)は、通常の投信のほうがETFより割高なケースも目立つ。これを踏まえて、東証ETF、海外ETFはどう違うか?

「東証ETFは日本の市場で、日本円で買えるので、為替手数料もかからず、売買手数料も格安(または無料)です。海外ETFは主に米国市場から買うので、手数料は米国の個別株と同じ。ネット証券では売買金額の0.495%(原則)がかかります」

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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