映画のシーン (c)2019 -LES FILMS DE L’APRES MIDI -KHONA TALKIES-BEOFILM -MIDAS FILMES
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――バングラデシュは首相や野党党首、国会議員も女性です。ジェンダーギャップ指数は65位。日本の120位よりも断然上です。

 日本は120位なのですか? それは悲しいことですね! バングラデシュでは労働者の80%が女性です。女性が労働に参加しているという意味で、日本よりも上に位置しているのでしょう。ただし首相であっても党首であっても、家ではきちんと家事や育児をこなす“理想的な奥さん”を演じなければならない現実があります。女性の本当の「平等」という意味では、まだまだ女性が担わねばならない役割は多すぎるのです。

 それでも昔に比べるとだいぶよくなっていると思います。100年前、女性は働くことさえ許されず、世間から隔離した生活を送らなければいけませんでした。ただし女性の本当の意味での地位向上は、まだまだがんばっていかないといけないと思います。

映画のシーン (c)2019 -LES FILMS DE L’APRES MIDI -KHONA TALKIES-BEOFILM -MIDAS FILMES
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――フェミニスト・フィルムメーカーとして作品を作るようになった理由は?

 私は小さいころから、自分が女の子であることが家族にとっても、父にとってもあまり喜ばしいことではないのだ、と感じてきました。私は4歳のときに妹が生まれたのですが、本当ならばうれしいはずなのに、父ががっかりしていたことが子ども心に感じられました。「この国では女の子は、ここまで大切にされていないんだな」と痛感したんです。幼少期からそれを変えたくて、どうしたら「女性であってもいいのだ」とみんなに認めてもらえるのだろう、とずっと闘ってきた節があります。1998年にアメリカに留学することができ、そこで初めてジェンダー学の存在を知りました。そこから男性や女性の違い、女性の地位向上などを学ぶようになりました。小さいころから感じていたものを自分の作品に込めるようになったんです。今後もその視線で作品を作り続けたいと思っています。