ロコ・ソラーレはスキップの藤澤五月(中)、リードの吉田夕梨花(左)、セカンドの鈴木夕湖(右)、サードの吉田知那美、控えの石崎琴美で五輪に臨む(photo 代表撮影)
ロコ・ソラーレはスキップの藤澤五月(中)、リードの吉田夕梨花(左)、セカンドの鈴木夕湖(右)、サードの吉田知那美、控えの石崎琴美で五輪に臨む(photo 代表撮影)

 前回の平昌冬季五輪で銅メダルを獲得したカーリング女子日本代表「ロコ・ソラーレ」。2大会連続の五輪出場を決め、北京で初の頂点を目指す。AERA 2022年2月7日号の「北京五輪」を特集した記事から。

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 前回の2018年平昌五輪では、カーリング女子日本代表「LS北見」(現ロコ・ソラーレ)の活躍も話題を呼んだ。日本勢として同種目初の表彰台となる銅メダル。選手同士で試合中に交わした北海道弁「そだねー」(「そうだね」の意)が「ユーキャン新語・流行語大賞」年間大賞を受賞するなど、一世を風靡(ふうび)したメンバーが2大会連続で五輪に戻ってくる。

 北海道北見市常呂町が拠点。昨年9月に国内の代表決定戦を制し、昨年12月にはオランダでの五輪最終予選を勝ち抜いた。リザーブが本橋麻里(35)から石崎琴美(43)に代わった以外は、リードの吉田夕梨花(28)、セカンドの鈴木夕湖(30)、サードの吉田知那美(30)、司令塔のスキップ・藤澤五月(30)は前回大会と同じメンバーだ。

 彼女たちのトレードマークは試合中の笑顔。練習拠点のアドヴィックス常呂カーリングホールで製氷を担当する鈴木繁礼(しげのり)さん(67)は言う。

「あの明るさは精神的な強さにつながり、プレーにも影響しています」

 実は、日頃の練習はピリピリムードだという。カーリングはミリ単位の攻防が繰り広げられ、戦略性の高さから「氷上のチェス」とも呼ばれる。ロコ・ソラーレは緻密(ちみつ)な練習を重ねた上で、本番では笑顔で互いの力を引き出し、勝利を引き寄せていく。

■スウェーデン戦が鍵

 常呂町は「カーリングの聖地」と呼ばれ、1988年にアジアで初めての屋内専用リンクが完成。学校の授業でもカーリングを教えるなどして、多くの五輪選手を送り出してきた。13年に新ホールができたとき、鈴木さんは北見市役所を早期退職し、選手たちの競技環境を整えてきた。選手たちからは「しげさん」と声をかけられる。

 鈴木さんはこうエールを送る。

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