インスタの国内のアクティブユーザーは約3300万人で、若者たちは「インスタ映え」に熱中する。だが、SNSは「両刃の剣」ということも忘れてはいけない ※写真はイメージです(GettyImages)
インスタの国内のアクティブユーザーは約3300万人で、若者たちは「インスタ映え」に熱中する。だが、SNSは「両刃の剣」ということも忘れてはいけない ※写真はイメージです(GettyImages)

 日本人の4人に1人は利用しているインスタ。なのに今、「インスタ断ち」をする若者が増えている。インスタの悪影響も指摘される中、断ってみるのもいいかも。AERA 2022年1月24日号の記事を紹介する。

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「完全に中毒でした」

 と振り返るのは、東京都在住のなっつみさん(23)。高校生の時から約8年、インスタにどっぷりハマっていた。

 きっかけは、スマホで撮った写真をインスタで加工するようになったこと。じきに、インスタは誰かに見てもらいたい自分を見てもらえる「場」となった。私はこういうキャラです、こんなふうに見られたいです。行った場所、食べたもの、買った洋服……。自分をアピールできる写真を投稿した。「いいね」やコメントがもらえると、承認欲求も満たされた。暇さえあればインスタを見た。

「相手の趣味や休日の過ごし方などプライベートもわかるので、『○○は今○○をしてるんだぁ~』と他人の行動をチェックするのも楽しかったです。絶対にずっと使い続けたいし、やめるつもりはありませんでした」(なっつみさん)

 写真投稿アプリのインスタグラム(インスタ)。2010年に米アップルの基本ソフト「iOS」でサービスを開始すると、12年にフェイスブック(FB、現メタ)が買収した。日本版がリリースされたのは14年。ビジュアル重視のこのSNSは、スマホを持つ若者層の間で急激にシェアを伸ばした。17年には「インスタ映え」なる言葉が新語・流行語大賞に選ばれるほどインスタは社会現象になった。国内のアクティブユーザーは約3300万人(19年)。実に、日本人の4人に1人はインスタを利用している計算だ。

■知らずにストレス

 そんな中、「インスタ断ち」をする若者が増えている。

 冒頭で紹介した、なっつみさんもその一人。あれほどハマっていたのに、一体なぜ?

 きっかけは、社会人になって周りにインスタをしている先輩や上司が意外と少なかったこと。プライベートはわからないが、逆にわからない大人が魅力的に思えインスタをやめようかと思いはじめたという。

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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