コロナ禍でも抜群の存在感を発したヘンリー王子夫妻。とりわけメーガンさんは「公爵夫人」を名乗りながらも王室批判に余念がない。和解の日は訪れるか──。AERA 2022年1月3日-1月10日合併号の記事を紹介する。
【写真】メーガンさんの児童書『ザ・ベンチ』。表紙には「サセックス公爵夫人」とも記されている
* * *
ヘンリー王子(37)とメーガンさん(40)が英王室を正式離脱したのは、2020年3月だった。今はメーガンさんのふるさと米カリフォルニア州で、約16億円の大豪邸に、アーチー君(2)とリリベットちゃん(0)とともに暮らしている。
幸せそうな生活ぶりだが、豊かな暮らしをもたらしたのは英王室を利用した結果といえるかもしれない。メーガンさんが結婚時にエリザベス女王(95)から授かった称号「サセックス公爵夫人」は、あらゆる場面に登場する。21年6月に出版された児童書『ザ・ベンチ』の表紙には、著者名としてメーガンに加え「サセックス公爵夫人」が大書されていた。
■“ドッキリ”にも登場
政治活動にも利用される。米国には国レベルの出産育児の有給休暇制度はない。ただ、複数の州が独自に導入しており、サポート制度を設ける企業もある。メーガンさんは「リリベットを産んだあとに、全米をまたぐ有給の育児休暇制度を設けるべきと実感した」と強調する。
ロビー活動も同時に開始した。2人の上院議員に電話を入れたが、そのうちの一人は運転中に突然、非通知設定の相手からかかってきたと明かした。電話を取ると、「こちらはサセックス公爵夫人メーガンです」と話したという。もう一人の議員も「驚いたわ。私の個人携帯に電話してきて、サセックス公爵夫人と自己紹介しました」と言う。政界入りを目指すといわれるメーガンさんは、政治活動に「サセックス公爵夫人」と名乗ることを決して忘れない。
テレビ番組の出演にも使う。21年11月、エレン・デジェネレスさんが司会を務めるバラエティー「エレンの部屋」で対談した。長寿番組で人気も高いが、彼女らに対し、スタッフなどからパワハラの訴えがあったため、22年に終了する。この番組でメーガンさんはドッキリのコーナーにも登場した。エレンの指示にしたがって、屋台前で唐突にスクワットを始め、猫耳を頭につけて鳴き声をまね、哺乳瓶からミルクを飲んだ。これも、ばかばかしいしぐさであればあるほど、「公爵夫人」とのギャップが笑いを誘う仕掛けだ。