AERA11月8日号から
AERA11月8日号から

■毎シーズンの可能性

Q:ブースター接種は2回目までと同じワクチンを打つの?

A:厚労省は当初、原則として、ブースター接種はそれ以前に接種したのと同じ種類を打つことを可能にするとしていたが、今後、輸入できるワクチンの種類や量などにもよるので、流動的だ。11月中旬の分科会で決まるとみられる。

 米国は、ブースター接種ではどのワクチンを打ってもいいとしている。シンガポールは、ブースター接種では、より高い効果が期待できるm(メッセンジャー)RNAワクチンを打つよう求めている。

Q:若い男性は、接種後に心筋炎が起こるリスクを考慮し、モデルナではなくファイザーのワクチンを選んだ方がいい?

A:ブースター接種の臨床試験は、両社とも対象人数が少なく、発生頻度の低い心筋炎が2回目までよりも起きやすいかどうかは不明だ。また、ファイザーは2回目までと同量を打つが、モデルナは半量になり、その影響も不明。ファイザーもモデルナと同じmRNAワクチンで、心筋炎の発症がゼロではないことを理解した上で、どちらにするか選んだ方がいい。

 厚労省は若い男性で、モデルナの方がファイザーより心筋炎が起きる頻度が高い傾向がみられるとして、10代と20代の男性は1回目がモデルナでも2回目はファイザーに変更できるとした。ただし、米CDCは、両社のワクチンによる心筋炎の発生頻度に差があるかどうかはまだわからないとしている。

Q:3回目の後、いずれ4回目接種も必要になる?

A:まだ不明な点も多いが、インフルエンザワクチンと同じように、毎シーズン接種が必要になると考える専門家が多い。(科学ジャーナリスト・大岩ゆり)

>>【前編:ブースター接種の効果はどれくらい? ファイザー、モデルナそれぞれの調査結果】より続く

AERA 2021年11月8日号より抜粋