ブースター接種はどうなるのか(gettyimages)
ブースター接種はどうなるのか(gettyimages)

 新型コロナウイルスワクチンの「ブースター接種」と呼ばれる3回目の接種。12月にも始まる見通しだが、副反応やワクチンの種類は2回目までと同じなのかなど、気になる疑問に回答する。AERA 2021年11月8日号から。

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Q:副反応は2回目までの接種よりも重くなる?

A:米食品医薬品局(FDA)や米疾病対策センター(CDC)によると、ファイザーでもモデルナでも、ブースター接種後の副反応のほとんどは、数日以内にはよくなる接種部位の腫れや痛み、倦怠感や発熱などだった。発生頻度には大きな差はなかった。例外はわきの下のリンパ節の腫れで、2回目接種に比べると発生頻度が高かった。ただし、これも数日以内によくなる。心筋炎などまれな副反応については、臨床研究では参加者が少ないので不明だ。

 米CDCによると、8月12日~10月10日に実施した、ブースター接種をした約27万3千人を対象にした調査では、接種後にもっとも多かった副反応は打った部位の痛みで、ファイザーを打った人の約5割、モデルナを打った人の7割超が経験。疲労感はファイザーの3割超、モデルナの約6割、筋肉痛や頭痛はファイザーの2割超、モデルナの約5割が経験した。

 このうちファイザーを打った約18万9千人の分析では、接種部位の副反応も全身の副反応も2回目よりも3回目の副反応の方が発生頻度が低く、副反応のために仕事ができなかった人の割合もブースター接種後の方が低かった。

 一方、モデルナを打った約8千人の分析では、全身反応や仕事ができなかった人の発生頻度はブースター接種後の方が少なかったが、局所反応はブースター接種後の方が高かった。差は大きくなかった。

 わきの下のリンパ節の腫れはどちらのワクチンも発生頻度が高くなっていた。ファイザーは2回目接種までの発生頻度が0.4%だったのに対し、3回目の接種後は5.2%、モデルナは14%から20%になった。

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いずれ4回目も必要になる?