13年12月、宮内庁鴨場(かもば)での外交団接待で紀子さまとカモを放つ眞子さま (c)朝日新聞社
13年12月、宮内庁鴨場(かもば)での外交団接待で紀子さまとカモを放つ眞子さま (c)朝日新聞社

 天皇家の初孫として注目を浴びるなか、眞子さまは多くの公務に真面目に律義に取り組んできた。これまで公にした5回の考えと、結婚までの日々から見えてくるのは、眞子さまの心だ。AERA 2021年11月1日号から。

【写真】18年7月、ブラジルを訪れ、記念式典であいさつした眞子さま

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 眞子さまはこれまで5回、自分の考えを公にしている。

 最初は2011年10月、20歳を迎えるに当たっての記者会見。以後、国際基督教大学(ICU)卒業に当たっての文書回答(14年3月)、小室圭さんとの婚約内定記者会見(17年9月)、結婚延期の発表に合わせて公表された「お二方のお気持ち」(18年2月)、「ご結婚についてのお二人のお気持ち」(20年11月)。

「結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」という「お気持ち」文書は、何度も報じられている。「儀式なし、一時金辞退」と同時に「複雑性PTSD」という病が明かされた今になって思うと、これは眞子さまの心の叫びだったと思う。

■理想の男性に「普遍性」

 結婚が延期される以前の眞子さまは、感情を表に出すことを抑える人だった。だから記者への回答はごく優等生的で、正直に書くなら面白みに欠けるものだった。三つ下の佳子さまと比べると、なおさらそう思う。

 佳子さまも20歳になる時に記者会見し、ICU卒業時には文書回答している。同じ質問もあったが、答え方はだいぶ違う。例えば結婚について。2人とも「時期」「理想の男性像」「お相手」の有無を聞かれている。

 眞子さまは記者会見で、「まだ余り結婚については考えたことはありません。理想の男性像に関しましては確たるものはございません」と答えた。文書回答では、結婚は「遅すぎず早すぎず出来れば良いと思っております」とした上で、こう述べた。

「理想の男性像というものは以前も申し上げましたように、特にございません。理想の男性像というと本人の中で普遍性のあるものでなくてはいけないと思いますが、自分の中にそのようなものがありませんので、お答えすることが出来ません」

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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