占い師、作家 しいたけ.
占い師、作家 しいたけ.
※写真はイメージ(gettyimages)
※写真はイメージ(gettyimages)

 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

*  *  *

Q:望まない異動命令が出ました。今の部署は自分で希望したので、多少つらくても頑張れるしやりがいがあるのですが、次の部署は全く興味が湧きません。頭では「これは新しいチャンス、がんばれ私。一通りできるようになってやる」と思うのですが、心がついていきません。頭と心のズレを縮めるためにアドバイスいただけたら嬉しいです。(女性/法律事務所/25歳/やぎ座)

A:少し前に、燃え殻さんという作家さんがツイートされていたんですが、僕はそれにすごく共感したんです。

 どういう内容かというと、物事が漠然とした不安とかモヤモヤの段階のときは放っておいて、その物事がハッキリした恐怖になったら対処を真剣に考えればいい、というようなことを書いていたんですね。ラジオで聞いた話と言ってましたが。

 僕自身もこの考え方にすごく救われました。敏感すぎる人って、まだ不安とかモヤモヤが姿を現していない段階ですごく気にかけて、どうすればいいのか考えて疲れてしまう。でも、不安が顕在化して「具体的な対策をとらないとやばい」となったら初めて動き始めればいいや、ぐらいの気持ちってすごく大事です。それに改めて気づかされました。

「その時はその時だよ。なんとかなる」訓練は、仕事だけでなくプライベートにおいても、大事な人生修行のように思います。

 新しいチャンスととらえて気持ちを切り替えようとするあなたの考え方は素晴らしいですが、残念ながら、生物としての人間は、好奇心より不安感のほうが強いのも事実です。自分に余裕があって自信もある時なら好奇心の波に乗ることができるけど、不安な状態の時ってなかなかその波に乗ることができない。その不安対策をどうするか。

 前にもこんな話をしましたが、世の中には「繊細組」の人と「大胆組」の人がいます。例えば転職の面接で「英語ができますか」とか「プログラミングができますか」と聞かれて即座に「できます」と嘘つくことができる人って、本当にいるんです。そして、そういう人たちは「つじつまを合わせる力」が凄まじい。その日からものすごく猛勉強するとか、友達にプログラミングできる人を紹介してもらって教えてもらうとか、とにかくその場で対応してサバイバルしちゃう。

著者プロフィールを見る
しいたけ.

しいたけ.

しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「しいたけ. 公式サイト」では月刊占いやコラムを連載中。 https://shiitakeofficial.com/

しいたけ.の記事一覧はこちら
次のページ