だが、東京都の新規感染者数の約7割を30代以下が占めるなど、依然として若い世代の感染が目立つ。小池百合子都知事をはじめ、政府や分科会は20代へワクチン接種を呼びかけるが、若者たちは冷ややかだ。さいたま市に住む大学生(19)は言う。

「私が住んでいるさいたま市では、44歳以下の人は予約開始日すら決まっていませんでした。接種が終わっている友人は大学の職域接種の人が多い。打ちたくても打てない人がいるのに、若者がワクチン接種を拒んでいるような言い方はやめてほしい」

 アエラが8月中旬、インターネットを通じて10~30代を対象に実施したアンケートでは、「ワクチンを打ちたくても予約が取れない」「自粛したくても若手はリモートをしづらい」といった意見が多く寄せられた。

■供給追いついていない

 岡山県の公立学校で働く女性(25)は教職員向けの接種枠の抽選に当たり、8月に2回目を終えた。ワクチンの順番を待つ間は苦しかったと振り返る。

「もしコロナに感染したら、職を失う可能性があるため自粛を続けていました。首都圏の友人には予約を取れず困っている人もいます。感染拡大の原因は政治にもあるのに、若年層だけ悪者のように言われるのが、本当につらいです」

(編集部・福井しほ)

AERA 2021年8月30日号より抜粋

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